いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
今日は、腰とお腹に痛みが一緒に出るという患者さんの1症例を記事に書きました。
お腹が痛いと聞くと、腹痛で腸や胃などの消化器系の問題かと思われる方も多いと思います。
今回の患者さんは病院では内臓などの消化器系に問題が無いとの事で、腰痛と腹痛以外にも様々な体の悪い部分を良くしようと思い当院にご来院されました。
先に結果から伝えると、今現在も施術を継続しておりますが、腰痛とお腹の痛みは完全では無いですが良くなりました。
腰痛や背中の痛みをお持ちの方で、お腹も痛くなる事があるという患者さんは意外といらっしゃいます。
今日はその関係性や、患者さんの経過などを、書きましたので同じような症状の方の一つの参考になれれば幸いです。
お腹に痛みが出る時に考えられるもの
お腹が痛い時に考えられる疾患をあげていきます。
今回の症例の患者さんも一度病院に行って何も問題が無いという事でしたので安心して施術をする事が出来ましたが、もし何か異常があればそちらの方を病院で治療しないといけない場合もあります。
自分では大丈夫と思っていても思いがけない事態が発生する場合もあるので以下のものを確認して下さい。
腹痛の原因となる病気は、お腹の中にある胃腸や肝臓などの内臓疾患以外でも、心臓、肺、腎臓、卵巣・子宮などの臓器の病気でもおこることがあります(表1)。また、緊急を要する腹痛をきたす病気を表2に示しておきますので、参考にしてみてください。
表1 臓器別の視点からみた病気
腹腔内臓器からの疼痛~消化器疾患~
・ 消化管(虫垂炎、消化性潰瘍、腹膜炎、腸閉塞、過敏性腸症候群、逆流性食道炎)
・ 肝胆膵(胆嚢炎、肝膿瘍、肝炎、急性膵炎、総胆管結石、胆石発作)
腹腔外臓器からの疼痛
・ 心臓・血管疾患(心筋梗塞、狭心症)
・ 塞栓症または血栓症(腸管膜動脈塞栓症、腎梗塞)
・ 血管破綻(大動脈瘤破裂、大動脈解離)
・ 呼吸器疾患(肺炎、胸膜炎、肺塞栓、気胸、食道穿孔)
・ 泌尿器疾患(尿管結石、腎盂腎炎、尿閉、精巣捻転)
・ 代謝性疾患(糖尿病性ケトアシドーシス、副腎不全、高カルシウム血症)
・ 婦人科疾患(子宮外妊娠破裂、骨盤内感染症、卵巣出血、卵巣捻転、月経痛など)
・ 筋骨格疾患(帯状疱疹、腹直筋外傷、椎間板ヘルニア)
表2 緊急度別にみた腹痛をきたす疾患
1)1分1秒を争う緊急手術を要する
大動脈瘤破裂、腹腔内出血、子宮外妊娠などによるショック
(難治性血圧低下、冷感、ふらふら)
2)緊急処置を要するが、最小限の検査などをする余裕がある(数時間)
消化管穿孔・破裂、急性虫垂炎、腸重積、腸間膜血管閉塞症、急性化膿性胆管炎
3)手術、侵襲的治療の可能性はあるが、詳しい検査をする余裕がある(数日間)
急性膵炎、急性胆嚢炎、肝膿瘍、腸閉塞、大腸憩室炎
4)内科的治療
消化性潰瘍、炎症性腸疾患
腎盂腎炎、Fitz-Hugh-Curtis 症候群、感染性腸炎
引用元:http://www.hiroshima.med.or.jp/pamphlet/188/post-101.html
このように、様々な状態が予測されます。
その為、一度病院で検査を受けてからの方が患者さん自身も安心すると思いますので、念には念を込めて病院での検査を受けて下さい。
病院で異常が無いと言われたら、病気などでは無い別の筋骨角器系の要因の可能性があるという事です。
腰痛と腹痛の関係性
腰痛の方はお腹が硬い方が多いのです。
以前の記事にも説明をしておりますのでこちらをご参照下さい。
お腹が硬い人は腰痛になりやすい【理由と対策】
この記事の中にも、腰痛と腹痛に関して関連性を説明をしていますが、今回の記事にも説明をして行きます。
腰痛が起きるメカニズム
腰痛が起きるのには様々な要因がありますが、まずシンプルに腰痛を紐解いていくと以下の部分が影響していきます。
- 痛みが出ている部分の筋肉が硬い
腰痛患者さんのほとんどが、痛みが出ている部分の筋肉は硬くなっております。
筋肉が硬くなっていると、その周囲の神経や血管を圧迫してしまい痛みを誘発させてしまいます。
ここで、更に深掘りしていくと痛みを感じ取る神経のセンサーは以下の部分に集中しております。
- 皮膚(真皮)
- 筋膜
- 関節包
この3つに集中しております。
皮膚(真皮)は簡単にいうと皮膚がパンパンに張っていて摘めないぐらいの状態だと皮膚(真皮)に集中している神経を圧迫してしまい痛みを誘発します。
筋膜は筋肉を覆っている膜のことですが、筋肉の柔軟性が少なくなっていると皮膚と筋膜が癒着を起こして筋膜に集中している神経を圧迫をして痛みを誘発します。
関節包は関節を覆っている組織なのですが、関節を動かす事が少なく関節の可動域が下がっていると関節包が硬くなってしまい、シワがよるような形で固まってしまうと神経を圧迫して痛みを誘発します。
なのでシンプルに腰痛を紐解くと、痛みが出ている部分の筋肉が固まっていると神経を圧迫して腰痛を引き起こすという事です。
痛みが出ている部分の筋肉が何故硬くなるのか?
それは、腰の筋肉に繋がる神経の大元は腰椎という背骨から出始めます。
この腰椎のズレがあると、神経や血管を圧迫してしまい皮膚、筋膜などを硬くしてしまい腰痛に繋がっていくのです。
要約をすると
腰椎のズレがある
↓
神経・血管を圧迫する
↓
皮膚や筋膜が硬くなりやすい
↓
腰痛を引き起こす
という流れになります。
その他にも、腰痛を引き起こしやすい状況もありますが以下の記事に説明をしておりますのでご参照ください。
腰痛と骨盤の歪みの関係性について
腹痛が起こるメカニズム
最初に説明をした、内科的疾患などがある場合は別ですが
病院で検査をしても異常がないという場合は、これも骨のズレが関与している事が多いです。
お腹が痛いと感じたりするのも腰痛同様、神経を介しております。
この神経は知覚神経という名前ですが、聞いた事がある人もいらっしゃると思います。
歯で知覚過敏の状態だと、冷たいものや刺激などが入るとすごい痛みが出るという経験をした人なら分かると思いますが、知覚神経が何らかの影響で圧迫や刺激が入るととても痛みが出現します。
これがお腹に痛みが出る人でも同じような事が起こるのです。
お腹が痛いという部分を直接触診すると、痛みが出ている部分のお腹がパンパンに張っていたり、奥にしこりのような硬さになっている筋肉があります。
このお腹の部分に向かう神経の大元は胸椎・腰椎という背骨から出ております。
胸椎・腰椎という背骨がズレて直接知覚神経が刺激されてしまっていると、知覚過敏のような鋭い痛みが出る場合があるのです。
これも腰痛同様に腰椎のズレが関与している事が多いのです。
今回の患者さんの状態
50代女性、仕事では某コンビニに勤務。
以前は清掃業などをやっていたそうですが、体に様々な症状が出てきたので清掃業をやめて今の職場で勤務しているとの事です。
患者さんの症状
今回の患者さんは実に様々なお身体の症状をお持ちでした。
主訴としては
- 首肩痛
- 腱鞘炎
- テニス肘
- 腰痛
- 坐骨神経痛
- 腹痛
などがあるも、日によって体全身に痛みが出現し全身が筋肉痛みたいに痛くなる時もあるとの事でした。
その他の状態として
- 甲状腺に問題がある
- 過敏性腸症候群
があります。
特に初診の状態でのメインは首肩痛、腱鞘炎で、腰痛や坐骨神経痛、腹痛は過敏性腸症候群の影響か下痢をしていたり、便秘になっていたりすると症状が出現したり、仕事の後半や仕事後に症状が出るとの事でした。
施術の経過
施術のペースは週1回で行わせて頂き、痛みの度合いを測る指標としてペインスケール(P.S)を用いて評価をしていきました(P.S10が痛みマックスとして)
施術初日〜9回目で初診のメインの首肩痛と腱鞘炎の症状は消失。
10回目(3/2):腰痛と坐骨神経痛、腹痛をメインに施術を行いました。
腰痛と坐骨神経痛、腹痛は仕事中そこまで出現していないものの、仕事が終わる頃や終わった後にどっと症状が出現するとの事。
施術後はP.S10→5。
11回目〜17回目(4/12):腰痛・坐骨神経痛、腹痛は施術後良いが仕事の後半時や仕事後に症状が出るのを繰り返す。
18回目(4/19):仕事の後半、仕事後に症状は出現するも、以前より痛みの度合いが少なくなる。
施術後P.S10→0。
19回目〜24回目(5/24):痛みの度合いは以前よりも減るも仕事後の痛みは出現するが施術後にはP.S0になるのを繰り返す。
25回目(5/31):痛みが出ない日が増えてくる。ただし過敏性腸症候群の症状が出てくる時は痛みが出る。
26回目(6/7):仕事中や仕事後の痛みは出にくくなってくる。ただし過敏性腸症候群の症状が出てくる時は腰痛と腹痛だけに絞られてきて、坐骨神経痛はそこまで出なくなってくる。
27回目〜32回目(7/18):前回と大幅には変わらないが、仕事中後半と仕事後の痛み自体は落ち着いてくるも、過敏性腸症候群の症状が出る時は腰痛と腹痛が出る。
という経過を今現在も辿っております。
今回の患者さんの考察
今回の患者さんの腰痛と腹痛、坐骨神経痛は20年以上前から発症しており、過敏性腸症候群も30年以上前から発症していたそうで、まだしっかりと安定した状態には至っておりませんが、仕事中後半と仕事後の痛み自体は無くなって行きました。
過敏性腸症候群の症状が出る時に腰痛と腹痛がセットで出現するのは変化が無いのですが、過敏性腸症候群は食生活などが主に影響が出るので、そこも見直して行ければ更に良い反応が出るかと推測されます。
ただ、今回の患者さんが仰っていた仕事後半と仕事後の痛みは、腹痛から始まり次に腰痛がきて、最後に坐骨神経痛みたいに足に痛みが広がっていくとの事でしたが、施術を何回も行なっていく内に坐骨神経痛が消失し、腰痛も消失していき、腹痛も消失していくといった経過を辿りました。
この事から、腰椎のズレが知覚神経に影響を与えてお腹の痛み、腰の痛み、坐骨神経ラインに対して痛みを与えていたという事が考察されます。
過敏性腸症候群の症状が出ている時に痛みが出現してしまうのはまだハッキリと因果関係が分からないので経過を追いながら状態が良い方向に向くようにしていきます。
ただ、過敏性腸症候群の症状が出ていない時は腰痛、腹痛は出現しない事の方が多いとの事でした。
その事から食生活をヒアリングすると大半以上がコンビニ食という事をお聞きしたのでコンビニ食を辞めていく事が大切なのかな?と思っております。
コンビニ食などのリスクについては以下の記事をご参照下さい。
コンビニ弁当は死を早める!添加物があなたにもたらす危険性のしくみ
実際に私自身もコンビニはたまに使いますが
10年以上前に毎日コンビニのものや外食を朝・昼・晩と3年間続けた結果、年に1回は体調が崩れ入院しないといけない状況に陥りました。
また皮膚にブツブツが出たりと皮膚にも悪い影響が出ていました。
食生活は、その人の身体を作る元の部分なので、食事に気をつけるのは大切です。
患者さんの環境や状況にもよりますが、食事の部分でも体の不調を整えていくにはとても大切な事なので、見直せる方は見直していきましょう。
まとめ
- 腰痛と腹痛は内科的疾患の疑いもあるので、病院で検査を受けましょう
- 病院で特に異常なしと言われたら、胸椎・腰椎のズレが関与している事が多い
- 食生活が乱れてしまうと腸自体に問題が起きて、影響を与えやすくなるので食生活は正せるのであれば正していきましょう
【診療時間】
船橋市海神の海神駅にあります、モルフォセラピー施術院であり、
スポーツ障害や体の痛みの早期回復に取り組んでいます。
毎月3・4回外部でお医者さんの勉強会に出たり、技術を高める為セミナーに参加し、日々医療の進歩と共に学びを続けております。
様々な臨床を通して培ってきた経験で、患者さんの筋骨格器系〜自律神経症状に精通している、海神駅前整骨院です。
海神駅前整骨院
住所:〒273-0021
船橋市海神6-6-12
電話番号:047-432-3680
ご予約をご希望の方はこちらをクリック⇒https://kaijin-seikotuin.com/contact/
エキテンサイト⇒http://www.ekiten.jp/shop_5487839/
instagram⇒https://instagram.com/_u/kaijin_ekimae
ライン@⇒
【注意】当日来院ご希望の方はすぐにメッセージを確認出来ない場合がありますので、当日ご来院希望の方は電話にてお願い致します。
≪船橋市内でよくご来院頂く地域≫
◎海神駅周辺地域
南本町、海神 、 海神町、海神町東、海神町西、海神町南、南海神、行田、行田町、山手
◎船橋駅周辺地域
本町、湊町、浜町、若松、日の出、西浦、栄町、潮見町 、高瀬町、東船橋、宮本、市場、夏見、夏見町、夏見台、米ケ崎町、高根町、金杉町、金杉、金杉台、緑台
◎西船駅周辺地域
西船、山野町、葛飾町、印内、印内町、本郷町、古作、東中山、古作町、古作、二子町、本中山
≪船橋市以外の地域≫
千葉市、銚子市、習志野市、市川市、松戸市、鎌ケ谷市、浦安市、野田市、成田市、柏市
≪その他≫
東京都、富山県、広島県、埼玉県、福岡県