(作成2020年3月19日)→(更新2020年11月27日)→(更新2021年9月10日)
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
今日は「線維筋痛症とは?」について記事を書きました。
線維筋痛症と診断をされる方が増えてきています。
実際に先日の1月31日に病院で線維筋痛症と診断を受けて、モルフォセラピーの本を読んで当院に来院された患者さんもいました。
その患者さんが仰ってた事ですが
「線維筋痛症と診断をされても薬しか処方してくれなかった」
との事でしたが、患者さんも線維筋痛症と診断をされてもどういう物なのか?理解するのも難しいですし、病院の先生も事細かには時間が無いので説明出来ないと思います。
少しでも繊維筋痛症という物を理解出来ると患者さん自身が安心すると思いますので記事を書こうと思いました。
本記事を読む事で分かることは
- 線維筋痛症ってどういう物なのかが分かる
- 線維筋痛症ってどういう症状が出るのか分かる
- 線維筋痛症の病院での診断方法が分かる
- 繊維筋痛症の標準治療が分かる(病院での治療法)
線維筋痛症で悩まれている方、線維筋痛症と診断された方はご一読下さい。
(更新2020年11月27日)→当院で行なっている線維筋痛症の方に対しての整体はモルフォセラピーという手法です。そのモルフォセラピーの最新刊について紹介しているのでご興味があるかたはご参照下さい。
(更新2021年9月10日)→当院では線維筋痛症の方に対してモルフォセラピーという背骨のズレを矯正する方法を用いています。
なので線維筋痛症の方に対してでも気をつけてほしいのがいかに背骨のズレを出さないような生活習慣を身につけていくかが重要です。
今回の追記した内容は背骨のズレを出さないような生活習慣についてアップしてますのでご一読ください。(6 線維筋痛症の方にもオススメの生活習慣の見直しポイントにアップしてます)
線維筋痛症とはどんなもの?
線維筋痛症は1990年、米国リウマチ学会において発表されました。
欧米では人口の2%前後の患者さんがいると言われており、日本では人口の1.7%が線維筋痛症の方がいると言われており、約200万人もいる計算になります。
しかし、日本では線維筋痛症という概念が諸外国より遅れている為もっと推定患者数はいるのでは無いかとも言われています。
少なく見積もっても200万人もいると思うと決して珍しく無い症状とも言えます。
厚生労働省研究班の2003年全国調査で日本の線維筋痛症の男女比は1:4.8と女性に圧倒的に多い統計が取れています。
発症年齢も40代以降に多いとされていますが、小児にも高齢者にも発症し、幅広い年代に見られます。
線維筋痛症診療ガイドライン2009の概要(厚生労働科学研究 西岡班)[PDF形式:463KB]にも説明されていますので詳しく知りたい方はご一読下さい。
線維筋痛症の原因
線維筋痛症の原因ははっきりとされていません。
研究が進められている中、有力な説として、脳が痛みの信号を感じる機能に問題が生じているのでは?という説と、脳に痛みを伝える神経そのものに炎症が起きているのでは?という2つの説が考えられているとの事です。
脳から脊髄を通っている神経は中枢神経と呼ばれているのですが、この中枢神経に問題が起きているという事が有力な説としてあげられています。
そして、脳から脊髄を通っている中枢神経は背骨の横から末梢神経として手や足の指先まで繋がっていきます。
その為、脳へと繋がる中枢神経に何らかの問題が生じる事で線維筋痛症のような様々な痛み出やすくなっているのでは?という風に考えられているのです。
ただ心理的・精神的ストレスや肉体的ストレスが多いと痛みが増強しやすくなる可能性が高いと言われており未だに原因は不明といった状況との事です。
当院が考えている線維筋痛症の原因
医学的には原因が不明とされていたり、ストレスが原因と言われているものは東洋医学的に体を見ていくと症状が緩和されていく事があります。
これは決して珍しい事ではありませんが、医学的にエビデンスという証明をする事が非常に難しい分野です。
医学的にエビデンスが取れていない事は、病院やドクターには否定されてしまう事も多いのですが最近では鍼灸治療が病院やドクターにも有効であると言われてきています。
当院でも線維筋痛症の患者さんに対して施術を行なっておりますが、当院が線維筋痛症の患者さんに対して行なっている施術はモルフォセラピーという手法です。
モルフォセラピーは背骨のズレを矯正していく手法なのですが、線維筋痛症の患者さんでも背骨のズレが原因と考えて施術をしております。
当院が考えている線維筋痛症の原因については別記事にて詳しく説明をしていきますので、記事を作成次第、本記事にアップしていきます。
2020年2月29日追記→記事を作成したのでアップします。当院が考察している線維筋痛症の原因を知りたい方は以下の記事に詳しく説明していますのでご一読下さい。
線維筋痛症の症状
線維筋痛症は決められた部位に痛みや症状を感じるのではありません。
なので患者さんからすると、肩が痛い、腰が痛い、頭が痛い、指先が痛いと言った具合でいつもと変わらない痛みや症状の程度から指先に物が触れただけで強い痛みを感じる物まで幅広いので自覚症状的に判断する事は難しいです。
線維筋痛症の患者さんは、痛みの範囲が広範囲であり、一つの症状だけでなく複数の症状を持っていると定義されています。
通常の痛みと共に睡眠障害や慢性疲労、自律神経症状、頭痛、過敏性腸症候群などの症状も一緒に伴う事もあると言われています。
痛みが軽度の状態なら本人も日常生活に支障なく過ごせますが、痛みが重症化してくると物に触れるだけでも激痛なので眠る事さえ厳しくなります。
睡眠が十分に取れないと、身体も回復しづらくなりますので悪循環に陥っていき、自律神経が乱れて様々な症状に繋がりやすくなります。
また、線維筋痛症の患者さんで注意して欲しいのが、膠原病やリウマチがあるか無いかです。
線維筋痛症の症状は決められているものが無いので、膠原病やリウマチの可能性もあります。それらもチェックしていきましょう。
2020年3月19日追記→記事を作成したのでアップします。当院が考察している線維筋痛症の初期症状についてを知りたい方は以下の記事に詳しく説明していますのでご一読下さい。
線維筋痛症の診断方法
線維筋痛症と確定診断出来るものは今現在ありません。
血液検査、レントゲン、CRP、CT、MRIでも異常が見られません。
ではどういう風に線維筋痛症と診断をするかというと次の方法を用いて診断していきます。
- 1990年のアメリカリウマチ学会の分類基準
- 2010年のアメリカリウマチ学会の予備診断基準
の2つが用いられている事が多いようです。
どういうものかというと
米国リウマチ学会線維筋痛症分類基準(1990)
1990年に米国リウマチ学会(ACR)が作成した分類基準[32][33][34]である。
以降ではACR1990と略記する。
この古い基準に対して批判が多くあるが、国際的に広く用いられている分類基準である。診療の場では、分類基準を満たさない症例が存在し、分類基準を満たさない症例を線維筋痛症から除外するための基準ではない、とも述べられている[35]。
線維筋痛症の分類基準(ACR1990)[36] 1. 広範囲にわたる疼痛の病歴 定義 広範囲とは右・左半身、上・下半身、体軸部(頚椎、前胸部、胸椎、腰椎) 2. 指を用いた触診により、18箇所の圧痛点のうち11箇所以上に疼痛を認める 定義 両側後頭部・頚椎下方部・僧帽筋上縁部・棘上筋・第2肋骨・肘外側上顆・臀部・大転子部・膝関節部 指を用いた触診は4kgの力で押す(術者の爪が白くなる程度)圧痛点の判定:疼痛に対する訴え(言葉、行動)を認める 判定 広範囲な疼痛が3ヶ月以上持続し、上記の両基準を満たす場合。第二の疾患が存在してもよい。 日本の症例に対してACR1990がどのぐらい有用であるか検証がなされ、その結果、診断感度は75.9%、診断特異度は97.4%、有用度は86.9%が得られ、優れた診断基準であることが検証された[37]。
ACR1990では、いわゆる二次性の線維筋痛症であって随伴して発症する場合も、病型に関係なく線維筋痛症と診断すべきことを意味している[37]。
米国リウマチ学会予備診断基準(2010)の提案
以下の3項目で構成される[38]。
- 定義化された慢性疼痛の広がり(widespread pain index: WPI: 広範囲疼痛指数)が一定以上あり、かつ臨床兆候重症度(symptom severity: SS)スコアが一定以上あること。
- 臨床兆候が診断時と同じレベルで3ヶ月間は持続すること。
- 慢性疼痛を説明できる他の疾患がないこと。
この3項目を満たす場合に線維筋痛症と診断できるものとする。以降ではACR2010と略記するが、ここで扱うには複雑すぎるため示しているのは概要のみである。
予備診断基準ACR2010は、分類基準ACR1990にとって代わるものではないと述べられている。対照疾患として非炎症性リウマチ性疾患を用いているなどの理由からである。ACR2010の他に、線維筋痛症の診断にまつわるその他の基準としてACR2010改定基準(2011)、J-FIQなどが知られているが[39]、ここで扱うには複雑すぎるため触れない。
2015年時点で日本でもっとも一般的に用いられている、線維筋痛症を対象とした評価票ひいては問診票として、ACR2010に基づくFAS31が挙げられる[40]。
引用元:wikipedia
とされています。
簡単に要約すると
1990年のアメリカリウマチ学会の分類基準では
- 1箇所だけなく広範囲に痛みを訴えている方
- 全身の18箇所の圧痛点の内、11箇所に指で押した時に圧痛を感じるか?
18箇所の圧痛点とは上の画像のポイントになります。
2010年の予備診断基準では
- 19箇所の身体の部分が過去1週間の内に何箇所痛みが出たか?でスコアを測る
- “疲労”、“起床時不快感”、“認知症状”の3つの症状に対して重症度レベルを3段階評価してスコアを測ります
- 筋肉痛、睡眠障害、耳鳴り、胸やけ、頻尿、排尿痛などその他の症状を含めて全部で41個ある症状の内何個症状があるかでスコアを測ります
この3つのスコアを測って
- スコアが基準値以上
- 3ヶ月以上症状の度合いや強さが変わらず続いている
- 他に現症状を引き起こしている病気や障害が無い
という状態になったら線維筋痛症を診断をされる形になります。2010年の予備診断基準は言葉で説明するのは難しいので以下のリンク先にスコア表やチェック表があるので、気になる方はご一読下さい。
https://eoc.eisai.jp/diagnosis/fibromyalgia/diagnose/documents/pdf/2010_ACR_CRITERIA.pdf
線維筋痛症の診断では、病院で検査をして画像や数値で分かるというよりも
問診で症状などをチェックして、患者さんの体を触って圧痛をチェックしていくという古くからの方法しかないのが現状です。
また病院によっては線維筋痛症に理解がある方もまだ少ないと言われていますので、線維筋痛症を診断をされずに、精神科に勧められたり、自律神経失調だと診断をされたりするので注意が必要です。
線維筋痛症の標準治療
線維筋痛症の原因が不明なので、標準治療も特効薬は解決法はありません。
それでも病院での標準治療は
- 薬物療法
- 運動療法
- 認知行動療法
- 心理療法
- 生活習慣の改善
- 代替療法
などが挙げられます。。
病院では薬物療法が主になると思います。
運動療法や認知行動療法、心理療法を行なってくれるところも少ないのが現状だとは思います。
また、最近では代替療法と言って、鍼灸あん摩マッサージや整骨院などで行う標準治療ではない東洋医学的な施術も有効と言われてきています。
薬物療法
薬物療法では、抗うつ薬や神経障害性疼痛治療薬などで痛みをブロックさせるような形を取りますが、これは痛みに対して麻痺させています。
2012年にはプレガバリン(リリカ)が線維筋痛症に対して保険適応の承認を得たそうですが、リリカは副作用や依存性があるとも言われているので積極的に服用するのは勧められないとされています。
プレガバリン(リリカ)は勝手にやめると反動も起きる可能性があるので勝手に辞めないように注意して下さい。
運動療法
運動療法はストレッチやリハビリなどを行い血流を良くしていく事で症状を軽減させていきます。
認知行動療法
認知行動療法というものは、聞いた事がほとんど無いと思いますが認知療法と行動療法を組み合わせたものです。
認知療法では日々の痛みがどういう時に出るのか?またはどういう時に出ないのかを日記になどにつけて痛みがどういう時に出て、痛みがない時はどういう時なのかを把握する事で痛みがずっとある訳ではないということを認知させていきます。
行動療法もどういう時に痛みが出て、どういう行動の時に痛みが出ないのかを把握する事で日々の活動量を少しづつあげていき、良くしていきます。
この2つを組み合わせて痛みがあっても活動量を増やしていき、結果的に血流を良くして軽減させていきます。
現状ではこのような取り組みをしている所は少ないと思います。
心理療法
病院では線維筋痛症の患者さんでは心理的ストレスが多いという傾向があるという事で、心理療法も取り入れている所もあるそうですが、こちらもまだ少ないのが現状です。
生活習慣の改善
線維筋痛症の患者さんで、心理的ストレスだけでなく肉体的ストレスがかかっている方も当然多いです。
特に忍耐強い性格の方は、仕事も忙しくてもギリギリまで負担を溜め込む傾向にあるので体がガチガチになっている事も少なくありません。
特に日々の食事環境や睡眠状況、運動習慣が崩れていると疲れが抜けづらくなってしまうので疲労を除去しやすいように生活習慣を正しくしていく事が大事とされています。
これは線維筋痛症でなくとも大事な基礎部分ですね。
代替療法
最近では病院で東洋医学を取り入れている所もあるとの事ですが、実際にはまだまだ西洋医学(病院)と東洋医学(整骨院・鍼灸院)などが統合医療として取り組んでいる所は少ないです。
しかし、線維筋痛症では多方面的アプローチが必要と言われているので病院と代替療法を組み合わせていくのは増えてきています。
代替療法では、主に筋肉を柔らかくして血流を良くする事や鍼灸でいう「気・血・水」の流れを整えると軽減すると言われています。
線維筋痛症には多方面的アプローチが必要
線維筋痛症は症状の度合いや程度が違います。
症状の程度が弱い時はセルフケアだけでも対処出来るかもしれませんが、重症になればなるほど一つだけの方法で対処出来なくなってきます。
重症な時は、薬物療法で痛みを少しでも抑えた状態で代替療法を行なった方が良いかもしれませんし、運動療法と代替療法を組み合わせた方が良いかもしれないし、などなど。
一つの治療だけで様子を見るのではなく、多方面的にアプローチをした方がより効果を出しやすくなると言われています。
当院での線維筋痛症への施術方法
当院では線維筋痛症と診断をされた方に対しても施術を行なっております。
当院の線維筋痛症の患者さんへの施術に関しては別記事にてアップしますので、記事が作成次第こちらにアップしていきます。
2020年3月1日追記→記事を作成したのでアップします。当院が考察している線維筋痛症の原因を知りたい方は以下の記事に詳しく説明していますのでご一読下さい。
また当院で行なっている線維筋痛症に対しての整体はモルフォセラピーという手法を使っております。
そのモルフォセラピーの創始者の花山先生が初心者やプロの方でない方、一般の方でも分かりやすい内容の最新刊が去年の夏に発売されています。
自分も何回も読み返しても学びの深い本となっておりますので、線維筋痛症の方でお悩みの方は一度ご参照下さい。
セルフケアや間違った健康情報に関しての情報も記載されていますので是非ご参考にして下さい。
線維筋痛症の方にもオススメの生活習慣の見直しポイント
(更新2021年9月10日)→当院では線維筋痛症の方に対してモルフォセラピーという背骨のズレを矯正する方法を用いています。
背骨のズレがなぜ起こるのか?という部分についてですが、生活習慣がとても影響してきます。ただ単に普段の姿勢が悪いからという理由だけでは背骨のズレは起こりません。
なので線維筋痛症の方に是非実践やチェックしてほしいポイントをモルフォセラピーでは健康21ヶ条というものにまとめていますので以下のブログをご一読頂き、少しでも早く体を回復させるためにも役立てて下さい。
まとめ
- 線維筋痛症の推定患者数は日本で約200万人いる
- 男女比も1:7で圧倒的に女性に多い
- 線維筋痛症の原因はまだ明らかにされていない
- 原因が明らかにされていないので治療法も確立されていない
- ストレスなどが取り上げられているが、ストレスだけが原因では無い
- 線維筋痛症の診断方法も明確に診断できるものが無いので、問診とチェックシートの双方で最終的に医師が判断する
- 線維筋痛症の治療はどれか一つだけに絞るのではなく様々な治療法を組み合わせて多方面的アプローチするのが望ましい
- 当院が考えている線維筋痛症の原因と施術法については後日記事を作成していきます
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毎月3・4回外部でお医者さんの勉強会に出たり、技術を高める為セミナーに参加し、日々医療の進歩と共に学びを続けております。
様々な臨床を通して培ってきた経験で、患者さんの筋骨格器系〜自律神経症状に精通している、海神駅前整骨院です。
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(R3/3/29 更新)