病院で股関節の軟骨のすり減りがあって痛みが出ていると診断された患者さんの2症例

いつもブログをご覧頂きありがとうございます。

今日は病院でタイトルのように言われ、変形性股関節症と診断された患者さんの2症例の記事を書きました。

当院では、今回の記事以外にも変形性股関節症と診断された1症例の記事が2つありますが、先月から今月にかけて変形性股関節症と診断された2名の新規の患者さんがご来院されたので、記事を書きました。

以前の記事はこちらをご参照ください。

今回の患者さんもそうだったのですが、変形性股関節症と診断をされると、どうしても手術という選択肢を病院から告げられると思います。(そうでない場合もあります)

当院でも変形性股関節症の患者さんを見て思うことは、全く動けない方であれば、手術をした方が良いと思います。

しかし、痛くても歩けたり動けたりするのであれば、手術をしなくとも回復していけます。

手術というのは、最終手段として受ける方が良いのでは?と思っているのが私の見解です。

今回の記事が少しでも股関節の痛みをお持ちの方や変形性股関節症と診断をされた方のご参考になれれば幸いです。

変形性股関節症とは?

変形性股関節症について記事を書いているので、こちらをご参照ください。

変形性股関節症は、以下の論文にもありますが、周囲の筋肉の活動が遅延している状態にも陥ってしまいます。

これには、骨盤と腰椎のズレがあるとより周囲の筋肉が上手く使えない状態になるので、より股関節の痛みに関与してしまいます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/23/4/23_KJ00001307727/_article/-char/ja/

また骨盤のズレと変形性股関節症の関連に関する論文もありますので、ご参照ください。

https://ci.nii.ac.jp/naid/130004585767

今回の患者さん2名の状態

お二人とも女性の患者さんで、1人は40代、もう1人は70代です。

40代女性の症状

  • 20代の頃から変形性股関節症と病院から診断は受けていたものの、痛みの度合いが強くなく整体やリラクゼーションなどを受けてケアをしてきた
  • 昨年に痛みが強くなり、病院に行くとリハビリを勧められるも中々病院に行く時間が無く行けなかった
  • 寒い時期になると痛みが強くなる傾向が毎年ある
  • ずっと座っていて立ち上がる時や、歩き始めが特に痛い
  • 30分以上歩くと痛みが強くなり、休まないと歩けない

70代女性の症状

  • 2年前から股関節の外側に痛みがあったが、歩ける為放置していた
  • 昨年夏ごろに痛みが強くなり病院に受診、変形性股関節症の診断を受け手術を勧められる
  • 歩行時もびっこを引く状態
  • 靴下を履こうとしても股関節が痛くて曲がらずに履けない
  • 夜寝ている時に股関節に鈍痛がある
  • 椅子から立ちがる時に痛みが強く、足をまっすぐに伸ばせない
  • 階段を昇り降りするのがとてもきつく、階段を使いたくないぐらい痛い

という状態でした。

お二人とも多少症状が違えど、似ている状態も見受けられる状態です。

当院での検査をしての考察

お二人とも、まず共通して言えるのが股関節が内旋状態になっていました。

股関節が内旋している状態だとずっと内股になっている状態と言えるのですが、患者さん自身は無意識なので、自覚はありません。

自覚が無いのですが、ずっと内股の状態だと股関節の筋肉はそのまま固まってしまっているので血流の悪さ、神経圧迫など引き起こされます。

また、股関節内旋の内股状態を作ってしまっている大元の骨盤のズレも著名でした。

骨盤は体の土台部分なのですが、この骨盤のズレが著明だと、骨盤の上に乗っかっている腰椎という腰の骨もズレてしまいます。

腰椎がズレてしまうと、腰椎から股関節に向かって伸びる神経や血管が圧迫されてしまうので、股関節の痛みに直結しやすいのです。

お二人とも、股関節内旋、骨盤・腰椎のズレの2点は共通して著明な状態でしたので、患者さんに2点説明を行い施術をさせて頂きました。

施術の経過

お二人とも施術のペースは週1回で行わせて頂き、痛みの度合いを測る指標としてペインスケール(P.S)を用いて評価をしていきました(P.S10が痛みマックスとして)

40代女性の施術経過

施術初日は、P.S10→6。(3/1日)

3回目までは施術して、また1週間後には戻ってを繰り返しました。

4回目の3/22日では施術後にはP.S10→3。

5回目の3/29日には施術前のP.Sが3のままで施術後にはP.S3→0。

7回目までは痛みはそこまで無いものの、股関節に違和感があり、長時間座っている状態から立ち上がりの時に少し痛みが出るとのことでした。

8回目の4/24日には痛みは出なくなり、歩きすぎると多少違和感が出るとの事でした。

70代女性の施術経過

施術初日(2/23)はP.S10→7で歩行時の痛みはあまり気にならなくなるも、靴下を履く動作はまだ全然出来ない状態。

5回目(3/23日)までは、施術後はP.S10→5に減るも、1週間後にはP.S7にまで戻ってしまう状態が続きました。

6回目(3/30日)の施術前はP.S5の状態に維持が出来て、施術後にはP.S5→3に減り、靴下を履くことが痛みは出るものの出来るようになり、夜寝ている時の鈍痛も無くなっているも、まだ歩行時のびっこを引くのは著明です。

7回目(4/6日)には歩行時の痛みはとても軽減されて、階段の昇り降りが痛みがそこまで出ないで出来るようになり、施術後P.S0に。

8回目(4/13日)には、家族でお出かけをしたそうなのですが、7000歩ぐらい歩いても痛みがそこまで出ずに、股関節周辺に違和感とやや鈍痛が出たとの事でしたが、歩くのに苦労しないとの事で、周りの家族からは歩き方がスムーズになったと言われたとの事でした(本人は自覚なし)。

歩きすぎたせいもあるのか施術前のP.Sは5との事でしたが、施術後にはP.S0に。

9回目(4/20日)には痛みはほぼ出ずに、靴下も履ける、階段昇り降りも痛み無く出来る、1時間以上座っている状態から立ち上がる時はやや痛みは出るものの、足を伸ばせるようになり、歩く時のびっこも大分軽減している状態でした。

10回目(4/27日)には、股関節に違和感はあるものの痛みが出なくなり、早歩きも出来るようになってきたとの事で、施術後には歩行が大分スムーズになりました。

変形性股関節症と診断が下った場合の施術の考察

お二人ともまだ、平成31年4月27日時点での経過は痛みは無くなるも、股関節の違和感は施術後には無くなるも、1週間経つと多少戻ってしまうので継続して施術をさせて頂くのですが、痛みが無くなり、日常生活や仕事、趣味に支障は無くなりました。

病院での変形性股関節症という診断は間違いなく合っていると思うのですが、私が変形性股関節症という状態を考察すると、変形が痛みを引き起こしているケースとそうでないケースの2つがあると思っております。

変形性股関節症と診断された患者さんの過去2症例と、今回の患者さんの2症例を考察して、皆、腰椎・骨盤のズレを矯正していくと、症状は快方に向かっている事から変形が症状の一番の理由でなく、症状を引き起こしているのは、腰椎・骨盤のズレだと考えられます。

現に、変形が一番の原因であるならば、当院で施術をしてもその場で痛みが減らないはずです。

でも、施術後に痛みが減っているということは、腰椎・骨盤のズレが関与しているという可能性の方が高いのでは無いかと考察されます。

今回の70代女性の患者さんは過去に心筋梗塞で手術をして、お薬を10種類以上も飲み続けているので、股関節の手術をするのがとても怖い、という事もおっしゃっていました。

手術という選択肢も私はアリかと思っていますが、手術は最後の砦としての最終手段として考えた方が良いのでは無いかと思っております。

当院で、人工股関節を過去に入れている方が来院されていますが、人工股関節の周囲の部分が痛いと仰られてました。

手術をしても、100%症状が良くなるかと言われたら、そうでも無いですし、リスクももちろん伴います。(当院でも100%ではありませんが)

しかし、当院のような所での施術は手術と違い、リスクは少ないです。

まずは、すぐに手術という選択肢でなく、私たちのような所で施術をして、手術というう最終手段を取らないようにしていくのも選択肢の一つです。

変形性股関節症と診断を受けた場合は、焦らずにじっくり考えて選択をしてほしいと思います。

まとめ

  • 股関節の軟骨がすり減りがあっても痛みと直接関係しているケースとそうでないケースがある
  • 変形性股関節症と診断を受けても、施術により回復していく
  • 変形性股関節症が痛みを引き起こしていない場合は、腰椎・骨盤のズレが主に関与している
  • 手術は最終手段として考え、手術以外にも選択肢の一つとして、施術もあります
  • 手術した後でも痛みが出ることもあります
  • 変形性股関節症と診断をされても焦らずに、じっくりと考えて手術か保存療法かを選択してください

【診療時間】

船橋市海神の海神駅にあります、モルフォセラピー施術院であり、

スポーツ障害や体の痛みの早期回復に取り組んでいます。

毎月3・4回外部でお医者さんの勉強会に出たり、技術を高める為セミナーに参加し、日々医療の進歩と共に学びを続けております。

様々な臨床を通して培ってきた経験で、患者さんの筋骨格器系〜自律神経症状に精通している、海神駅前整骨院です。

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