いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
今日は当院にご来院されている左の後頭部に10年以上痛みがあり続いている患者さんの1症例について記事を書きました。
後頭部に痛みがずっと続いていると、皆さん不安になると思います。
病院でも異常がなしと言われると安心する反面、なんでこの痛みが無くならないのかと不安に陥ってしまう患者さんも多いです。
後頭部の痛みと聞くと、脳に異常があるのでは無いか?と不安になるのですが、病院でしっかりと検査を受けているのであれば、その後頭部の痛みは内科的疾患ではなく別の問題があるという事です。
今日は、後頭部の痛みや頭痛などでお悩みの方のご参考になれれば幸いです。
後頭部に痛みがある場合に考えられる事
後頭部に痛みがあると、皆さん脳や内科的疾患が無いか不安になると思います。
確かに、その可能性もあるので考えられる事と、その特徴を記載しました。
- くも膜下出血:急に頭が割れるようなガーンという激痛がおそうのが特徴で、吐き気やおう吐、意識低下なども起こる事もあります。
- 脳出血:脳血管が破れて出血し、急に頭痛が起きて短時間で痛みはピークになり、手足の麻痺、ろれつが回らない、吐き気やめまいなどが特徴です。
- 脳腫瘍:脳の腫瘍が大きくなるにつれて、痛みもだんだんと強くなり、腫瘍がどこにあるかで、手足の麻痺や視力障害などが出ます。
- 髄膜炎・脳炎:脳の髄膜にウイルスや細菌の感染があり、高熱を起こしズキンズキンという激しい頭痛が起こります。炎症が脳まで及ぶと脳炎となり、麻痺や意識障害が起きます。
- 慢性硬膜下血腫:頭をぶつけたことが原因で、硬膜とくも膜の間に徐々に出血し、1~2カ月後に血腫が脳を圧迫して頭痛が起こります。とくにお年寄りに起きやすく、ぼんやりしたり、物忘れや尿失禁なども出たりします。
以上の事ですが、これらが原因で後頭部の痛みや頭痛が起きている場合は、病院で検査をすれば異常が見つかります。
不安な方は一度病院で検査を受けましょう
後頭部の痛みや頭痛は、筋骨格器系の原因と内科的疾患の原因の見分けはお医者さんしか出来ません。
当院では、筋骨格器系の問題であれば、問題なく施術を行う事が出来ますが、内科的疾患の場合何も出来ませんし、判断出来ません。
自分の状態に不安な方は一度病院で検査を受けて、内科的に異常がないかどうか分かった方が安心して施術を受ける事も出来ますし、こちらも安心して施術を行う事が出来ます。
病院で異常がなしと言われたら
病院に受診をして内科的疾患などに異常が無いと言われたら、筋骨格器系の問題という事です。
筋骨格器系の問題でも、お医者さんから頚椎という首の骨の間が狭くなっている、頚椎症と言われる事もあると思いますが、年齢を重ねれば重ねる程に軟骨はすり減っていくものです。
当院でも病院で頚椎症と診断をされた患者さんが来院されましたが、頚椎のズレを矯正すると首の痛みは軽減してます。
特に、頚椎のズレというものは病院では重要視して見ないのですが、頚椎のズレが後頭部の痛みに関わっている事が非常に多いです。
当院にご来院されている首の辛さや頭痛などの症状も頚椎のズレを矯正することにより回復した症例も記事にあるのでご参照ください。
後頭部に痛みが出るメカニズム
先ほどの記事にも書いてある内容もありますが、今回の患者さんの症状の後頭部の痛みが出るメカニズムについて説明します。
画像のように後頭骨とは緑色の部分になります。
後頭骨が痛みが出ている方で、脳や内科的疾患が無い場合に、以下の要因で痛みを出している事が考えられます。
- 後頭骨周囲の筋肉の緊張
- 後頭骨に繋がる神経による神経痛
この2点が主にあげられます。
この2点の要因ですが、筋肉の緊張と神経の圧迫が後頭骨の痛みを引き起こしているという事です。
では、何故この2点の要因が出てきてしまうのか?
それは、頚椎のズレが関与してくるのです。
頚椎には、頭の方に向かう神経が通っています。
また、頭の方に向かう血管も通っています。
頚椎がズレてしまうと、神経・血管の両方を圧迫してしまいます。
赤いものが血管で、黄色いものが神経で、頚椎の間の非常に狭い隙間を通って走行しており、頚椎がズレると圧迫を受けやすいのです。
神経が圧迫されると、神経痛が起きますし、神経は筋肉に繋がっていくので、筋肉も上手く動かせなくなっていきます。
そうなってしまうと、筋肉の硬さも出てきてしまいますし、硬くなった筋肉が更に神経を圧迫しやすくなり、痛みなどを引き起こします。
血管が圧迫されると、筋肉への血流が悪くなってしまうので筋肉は硬くなっていきます。
筋肉が硬くなると、先ほどと同様に神経を圧迫しやすくなり痛みを引き起こします。
また、ここで厄介なのが頚椎のズレがあると副交感神経が上手く働かなくなり、交感神経が優位になってしまいます。
交感神経が優位になると、自分では力を入れていなくても常に筋肉に力が入っているような緊張状態に陥ってしまいます。
常に筋肉が緊張状態に陥っているという事は、寝ている時でも力が抜けていないので、寝ても回復せずに、どんどんと悪循環に陥っていくのです。
その為、脳や内科的疾患が無い場合の後頭骨の痛みが起きるメカニズムは
頚椎のズレが起こる
↓
神経・血管が圧迫される
↓
筋肉が硬くなり、神経の圧迫が強くなる
↓
後頭骨に痛みが出現
↓
交感神経が優位になっていて、寝ても回復しなくなってしまう
↓
痛みが抜けない状態に陥る・もしくは悪化していく
という流れになってしまうのです。
筋肉を柔らかくしていけば、一時的に症状は緩和する傾向にあるのですが、頚椎のズレが著明にある場合は筋肉に対してアプローチしても中々症状が変化しません。
頚椎のズレを矯正して、周囲の筋肉に対してアプローチしていく、この2点が後頭部の痛みを解除していくのに大切な事なのです。
今回の患者さんの状態
今回の患者さんは30代女性。
初診時の主訴は右股関節の痛みでした。
右股関節の痛みは初診から3回の施術で問題なくなったのですが
3回目の施術後に『実は首から後頭部にかけて10年以上前からずっと痛みがあって時々耳までピキッとするんです』と仰って頂いた形でした。
症状としては
- 常に背中〜首・後頭骨にかけて痛い
- 時々首・後頭骨・耳にかけてピキッと痛い
という状態でした。
その他の状態として、首周辺のアトピーと、喘息とアレルギーなどがありました。
施術の経過
痛みや症状の度合いを評価するのにP.S(ペインスケール)を用いて評価していきました。(痛みの度合いをマックス10として)
首・後頭骨の施術を開始したのが2/22で、施術後にはP.S10→6。
2回目〜4回目までは施術後にはP.S10→5になるも、1週間経過すると元に戻ってしまう状態でした。
5回目(3/22)には施術後P.S10→3になるも、1週間の間に首・後頭骨・耳にかけてピキッとくるような痛みが多く出現。
6回目(3/29)には、1週間経過しても背中〜首・後頭骨・耳にかけての痛みがあまり出なくなったとの事。
施術後にはP.S0になったので、1週間ではなく2週間空けて様子を見ることに。
7回目(4/12)2週間空けたが状態は悪くなっておらず、後頭骨周囲の筋肉の硬さも和らいでいき、頚椎のズレも少なくなってくる。
施術前P.S3(首・後頭骨の違和感)が施術後にはP.S0に。
8回目(4/26)は子供が熱をだしたり、家の事で忙しく、夜しっかり寝る事が中々出来ずにいた為症状がぶり返すも、以前より症状の度合いは減っており、施術後にはP.S0。
施術後には、症状が無くなってご本人が10年以上続いていた首・後頭骨・耳にかけての痛みが無くなってきたとの事でとても安心されていました。
最初、右股関節が主訴で来院されていたのですが、私が『最初にそんなに悪い首・後頭骨・耳にかけての症状について何故私たちに仰られなかったのですか?』と聞くと
ご本人は『これが普通だと思っていたし、良くなると思わなかったから』と仰られていました。
患者さんは、他の方の状態と自分自身の状態を比較することも出来ないですし、知識なども無い為そう感じてしまう事もあると思います。
ただ、体の辛さや痛み、症状は体のサインなので、長年放置していくと悪くなっていきます。
今回の患者さんも含めですが、皆様もご自身の体を労ってあげてくださいね。
今回の患者さんの考察
今回の患者さんの場合、長年の首肩の辛さをそのままにしており、痛みがずっと続いておりましたが頚椎のズレと後頭部の筋肉の緊張を解除していく事で症状は緩和していきました。
どうしても長年の症状は1回でスパッと取れる事はありませんが、コツコツ施術を積み重ねていく事で良い状態を作れていきます。
特に頚椎のズレが引き起こす症状は今回の後頭部の痛み以外にも様々なものがあります。
頚椎のズレは非常に細かくレントゲンでも把握しにくいです。
また筋肉の緊張も病院では判断が出来ません。
筋骨角器系の問題は、背骨のズレ、筋肉の緊張や硬結を解除していけば、様々な症状が回復に向かいます。
後頭部の痛みや頭痛に関して、頚椎のズレと後頭部の筋肉の緊張を解除することが痛みを解消できると考察できるので、今後も同じような症状の方がいたら症例を報告し同じような悩みを持っている方のご参考になれればと思います。
まとめ
- 後頭部の痛みは脳や内科的疾患など関与している事もあるが、病院で異常なしと言われたらほとんどの場合、頚椎のズレ。筋肉の緊張が関与している
- 長年放置している症状は、すぐに良くならないがコツコツ続けていけば症状は快方に向かっていく
- 頚椎のズレは後頭部の痛みだけでなく、様々な症状へと繋がってしまう
【診療時間】
船橋市海神の海神駅にあります、モルフォセラピー施術院であり、
スポーツ障害や体の痛みの早期回復に取り組んでいます。
毎月3・4回外部でお医者さんの勉強会に出たり、技術を高める為セミナーに参加し、日々医療の進歩と共に学びを続けております。
様々な臨床を通して培ってきた経験で、患者さんの筋骨格器系〜自律神経症状に精通している、海神駅前整骨院です。
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