痛みが出るメカニズム【原則と対処法について】

いつもブログをご覧頂きありがとうございます。

今日は「痛みが出るメカニズム【原則と対処法について】」について記事を書きました。

昔書いた記事をリメイクしているので、昔と多少違う表現や説明があるかもですが、医学は常に進歩しているので、こちらの記事が当院の学んでいる最先端な情報になります。

患者さんに問診やお話を色々聞いていくと多くの方が仰られる事がありました。

それは

  • 『何で急に痛くなったのか分からない』
  • 『痛みって何で出るんですか?』
  • 『今まで何ともなかったのに痛みが出てきた』
  • 『痛みが出ているのに病院だと気にしすぎと言われた』

等の声を非常によく聞きますし、痛みと聞くと皆さんは簡単にイメージは湧くと思いますが、詳しく説明して、と言われたら困ると思います。

今日は痛みという言葉の定義や、痛みは何故出るのか?、

などを説明していますのでご一読下さい。

本記事を読む事でわかる事

痛みとは?

1979年に国際疼痛学会 (International associations for Study of Pain) は、痛み(疼痛)を次のように定義している。

実際に何らかの組織損傷が起こったとき、または組織損傷を起こす可能性があるとき、あるいはそのような損傷の際に表現される、不快な感覚や不快な情動体験。

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

wikipediaより引用

と、定義されております。

なんか難しい表現の定義だと思われがちですが簡単に説明をまとめると

怪我した時に感じる痛みは勿論ですが、怪我していないのに感じる痛み、又は何とも言えない不快感、違和感、痺れ、などなどの自分が正常の時に感じなかった体感や体験の事を痛みと総称して言います。

つまり、ものすごく幅が広い定義となってます。

なので、痛みといっても、定義自体が物凄い幅の広さなので伝えにくいですし、相手も理解するのに大変なことが多いのです。

痛みの種類

痛みは様々な感じ方があります。

その中でも種類がありますので、説明をしていきます。

侵害受容性疼痛

言葉を聞くととても難しく感じてしまいますが、難しいものではありません。

とても簡単に要約すると、怪我や炎症が起きているときはこの侵害受容性疼痛と分類されます。

捻挫や骨折、打撲、脱臼、肉離れなどから、使いすぎによる炎症、ぎっくり腰、寝違え、五十肩などなど強い痛みを伴うのも特徴的です。

神経障害性疼痛

言葉通り、神経に何らかの影響を受けると神経が障害されて痛みを引き起こします。

神経を障害する?と聞くとあまりイメージが湧かないかもですが

重篤なものでいうと、脊髄損傷や病気が原因で神経に影響を与えてしまう場合などがあります。

皆さんが聞いた事あるものでいうと、頚椎症、頚椎ヘルニア、腰椎ヘルニア、坐骨神経痛や痺れなどの症状も神経障害性疼痛に分類されます。

脊髄損傷や病気が原因の場合は病院で検査をすれば分かりますが、それ以外の部分は病院で検査をしても明らかな原因がない場合もあります。

腰痛の場合ですが、「腰痛とは?【約8割強が原因不明と言われてます】」という記事にヘルニアや狭窄症などで痛みが出ている訳ではないという説明を書いてますので、こちらもご参照下さい。

心因性疼痛

この痛みは、上の2つに当てはまらない場合に分類される事が多いそうですが、原因不明とされている痛みです。

なので病院からは精神的ストレスや脳が痛みを勘違いしているなどの指摘を受けることもありますが、要は原因不明ですという分類に入ります。

主にこの3つが分類されていますが、あくまでも分類されているだけで普段はこのような分類があっても診断をされたり、病院で言われる事はないと思います。

痛みが出る仕組み

痛みは、怪我や組織が炎症を起こして感じるケースと、神経自体が障害を受けて起こるケース、その他の原因不明のケースの3つに共通している事があります。

それは3つとも共通して、神経を介して脳に信号を送り、痛みを認知する仕組みとなっております。

つまり、痛みというのは怪我でも炎症でも神経が障害を受けても、心因性でも、神経を必ず介して痛みを感じるという仕組みになっているのです。

痛みを感じる神経

先ほど、痛みは神経を介して脳に信号を送り痛みを感知すると説明がしましたが

痛みを感じる神経が集中している部分が4つあります。

  1. 皮膚(真皮)
  2. 筋膜
  3. 関節包
  4. 骨膜

この4つに物理的な刺激や、化学的な刺激が与えられると、痛みの信号を脳に送り痛みとして感知します。

①~④がどのような状態になると痛みが出てしまうのか?

①皮膚(真皮)

皮膚はぶつかったり、擦り傷だったりすると勿論痛みが出ますよね?

皮膚の感覚受容器にはいくつかの種類がありますが、皮膚の感覚の受容器の多くは、皮膚の真皮にあります。

この皮膚の真皮という部分に痛覚をはじめ、温覚、冷覚、触覚や圧覚などを感じ取ります。

なので、皮膚がパンパンに張っていたり、硬くなっている状態でも感覚受容器に刺激を与え、痛みを感じ取っています。

②筋膜

筋膜は、筋肉を覆っている膜の事なのですが、この膜が縮こまっている状態で硬くなってしまったり、筋膜周辺の組織と癒着という状況に陥ってしまうと痛みが発生しやすくなります。

筋膜には感覚受容器(いわゆる痛みを感じ取るセンサー)が豊富にあります。

筋膜が硬くなる・癒着している状態だとこの感覚受容器を刺激して痛みが出る仕組みとなっております。

③関節包

関節包は、関節を包んでいる組織なのですが、様々な役割があります。

関節が外れないようにする、関節を細菌やウイルスから守る、関節がどの位曲がっているか脊髄に教えている、関節周りの筋肉の動きを脊髄に教えている、関節の異常を痛みとして大脳に教えている。

などの役割があります。

つまり、関節包が関節の異常を痛みとして知らせてくれているのです。

④骨膜

骨膜は骨を覆っている膜の事です。血管と神経が豊富に存在しています。骨膜の中には骨を作る細胞があり、骨の保護や再生などの役割があります。

骨膜が損傷を受けると、いわゆるヒビや骨折なので、勿論痛みが発生してしまいます。

このように痛みを感じ取るセンサーの部分に異常が生じると痛みとして発生してしまうのです。

上記4つに神経を送っている大元が○○

上記4つが直接、怪我などをしてしまった場合は直接痛みを感じますが(侵害受容性疼痛)、怪我などをしていない場合にも痛みが引き起こされます(神経障害性疼痛、心因性疼痛)。

この怪我などをしていない場合に痛みが引き起こされる時、皮膚(真皮)はパンパンに張っていて、筋肉はガチガチに硬くなり、筋膜の動きが悪くなり、関節の動きも悪くなる事で神経を圧迫されて痛みを感じます。

では、何で怪我をしていないのに、硬くなったり、動きが悪くなるのか?

皮膚や筋膜、関節包にはコラーゲンがとても豊富にあります。

コラーゲンが繊維化すると筋肉や関節の可動も少なくなり硬くなると言われています。コラーゲンの繊維化が関節の可動域に影響を及ぼすという論文もあるので興味ある方はご一読ください。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/41/8/41_KJ00009647371/_pdf

コラーゲンに栄養や酸素などを運んでいくのは血液ですが、血流が悪くなるとコラーゲンなどを含む皮膚、筋膜、関節包に十分な栄養などが行き渡りにくくなります。

そうなると硬くなり、痛みを出しやすくなるのです。

何で血流が悪くなるのか?という大元が背骨のズレが関与していると考察いています。

線維筋痛症とは?

上の左側の写真に赤い色と青い色のものが背骨の前を通っています。赤いのが動脈、青いのが静脈です。背骨のズレがあると血管に対して圧迫などの力が加わり血流が根元から悪くなるのでは?と考察してます。

また上の右側の画像は神経の通り道のイメージ画像ですが、血管は神経とほぼ同じ走行で全身に張り巡っています。

つまり、大元の背骨にズレが生じると根元から血流が悪くなり、手足の先までスムーズに血流を運びづらくする可能性があるのでは?と考えられるのです。

また神経も脳から脊髄を通っている中枢神経から背骨の脇から末梢神経として手足の先まで行き届きます。また自律神経も背骨から出ています。

背骨のズレがある事で末梢神経も圧迫すると痛みを感じやすくなりますし、自律神経に影響が及ぶと交感神経が活発になり、皮膚や筋膜などが緊張状態に陥ってしまいます。

そうなると痛みも悪循環に陥りやすくなっていき、痛みが慢性化しやすくなるのです。

痛みが出るメカニズムをまとめると

背骨のズレが起きる

血流が悪くなる、抹消神経の圧迫、自律神経の圧迫

皮膚(真皮)、筋膜、関節包が硬くなる

痛みの受容器を圧迫する

痛みが発生

という仕組みで痛みが出るのです。

背骨のズレと自律神経の関係性について「なぜ、背骨のズレや歪みが自律神経に及ぼすのか?【理由と対策方法について】」の記事で詳しく説明をしていますので、知りたい方はご一読下さい。

痛みの悪循環サイクル

先ほど痛みが出るメカニズムとして、背骨のズレがあると痛みを引き起こすと説明をしました。

でも、何で背骨がズレるのでしょう?

この部分が一番大元ではあるのですが、現代では背骨のズレを完全に回避する事は不可能では無いか?と言われています。

当院が行なっているメインの手法のモルフォセラピーでは、創始者の花山水清先生が背骨のズレを予防するために作った健康21か条というものがあります。

これを紹介するだけでも、総文字数20000文字となってしまうので、詳しくは以下の記事をご一読下さい。

背骨の歪みやズレを予防する為の健康21ヶ条【ズレる原因】

記事をお読みになって頂いた方は、こんなの全部予防出来るはずがないし、それをやるにはお金をかかるし、生活や仕事を変えないと無理だ!

と思う方は多いと思います。

それぐらい、今の現代は毒だらけと言っても過言ではないのです。

また、一度痛みが出現すると、その痛みによって活動に制限がかかったり、ストレスがかかったりして悪循環に陥ってしまいます。

このサイクルを抜け出すにも、日常生活を変える一歩を踏み出すかどうかは重要です。

全部を変える必要はありませんが、1つでも日常生活や生活習慣を良い方向に変えることは自分自身の体を管理する上では大切です。

痛みの悪循環を自分自身の手で断ち切り、コントロール出来るようにしていきましょう。

痛みを評価する方法

痛みの定義は違和感や不快感などのレベルから、日常生活は送れるけど痛みがあるレベル、日常生活もままならないレベルなど非常に幅が広く、人に伝えるのは中々難しいです。

そこで、主観的な痛みの訴えを病院や整骨院の先生に伝えるのは、受け取り側的にも少し難しい時があります。

客観的に自分自身の痛みを評価して、病院や整骨院の先生に伝えられると治療や施術もスムーズにいきやすいですし、お互いにデメリットが少なくなります。

なので、本記事で痛みの評価基準や方法を3つほどお伝えします。

  1. Visual Analogue Scale (VAS)
  2. Numerical Rating Scale (NRS)
  3. Face Rating Scale (FRS)

の3つですが、以下の画像のような評価方法になります。


画像引用元:https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_hyouka.html

①VASは画像の通り0は痛みが全くない状態、10(100)が最大の痛みとして長さ10㎝の線の中で痛みがどのレベルなのかを視覚的に評価していきます。

②NRSも0が全く痛みがない状態として0から10までの11段階評価になっています。ご自身で今の痛みがどの段階なのかを評価する方法です。

③FRSは小さい子やご年配のコミュニケーション能力が低くなっている場合の方に分かりやすい評価方法として用います。

これは、患者さんの痛みを、施術者側が把握することによって施術の経過を観察することができるし、患者さん側も自分自身を評価することによって客観的に見ることが出来ます。

あと、その他の評価方法や問診票など詳しく載っているサイトが以下のサイトにあるので、興味がある方はご参照下さい。

https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_hyouka.html

痛みの対処法

痛みの種類にも対処法は異なりますが、ここでは簡単なケースと対処法を説明します。

怪我や炎症などが起きた場合

怪我してしまったり運動中に痛めた場合は、一昔前はRICE処置と言われる対処が一般的でしたが

最近ではPOLICE処置が怪我の早期回復に適しているのでは?と言われています。

RICE処置は、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字をとっていますが、極力怪我をしたら安静一番でアイシングと包帯で圧迫固定して心臓より高めの位置にてポジションを置くことで回復を促しています。

POLICE処置はProtection(保護)してサポーターや固定具で怪我しているを保護してOptimal Loading(最適な負荷)は安静にしすぎずに最適な負荷をかけることで少しでも早い回復を促していき、Ice(冷却)はアイシングして痛みを和らげ、Compression(圧迫)は怪我している部分の腫れを防いで、Elevation(挙上)はむくみの軽減を図って怪我の早期回復を促します。

近年は、ぎっくり腰でも安静にせずに動きましょうとWHOでも推奨されています。

怪我の場合も最適な負荷をかけて早期回復を促すことが推奨されています。

怪我や炎症が起きていない場合

自己判断するのは難しいですが、明らかに怪我をした覚えがない方の場合、以下の事が影響して痛みを引き起こしていると想定されます。

  • 血流の低下
  • 皮膚(真皮)・筋膜の過緊張
  • 関節可動域の低下
  • 神経圧迫

これは先ほどまで説明してきた痛みが出る仕組みです。

これらを引き起こす大元が背骨のズレという事を説明してきました。

なので怪我や炎症が起きていない場合の対処法は背骨のセルフ矯正です。

当院が推奨しているセルフケア方法を首から骨盤までまとめた記事がありますので、詳しくは以下の記事をご参照下さい。

背骨の歪みやズレが起こる原因とは?【姿勢だけが原因では無いです】

あとは、背骨のズレを予防するために日頃の生活習慣を見直していく事が本質的には大事になってきますので、「背骨の歪みやズレを予防する為の健康21ヶ条【ズレる原因】」をご一読頂いて、1つずつ見直していける所は見直していきましょう。

まとめ

  • 痛みの定義は非常に幅が広く、違和感や不快感なども痛みに含まれる
  • その中でも痛みには種類や分類があり、大きく分けて怪我(炎症)、神経障害、心因性の3つに大別される
  • この3つに共通していることは3つとも神経を介して痛みを感じるという事
  • 特に痛みを感じ取る神経が集約しているのが皮膚(真皮)、筋膜、関節包、骨膜の4つ
  • 骨膜は骨折などで影響を受けるので、今回は除外します
  • その他3つはそれぞれの組織が硬くなると神経を圧迫して痛みが出る
  • 3つの組織が硬くなるのは、背骨のズレが関与している
  • 怪我の場合はPOLICE処置
  • 怪我以外の場合は背骨・骨盤セルフケア

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シフト

【診療時間】

船橋市海神の海神駅にあります、モルフォセラピー施術院であり、

スポーツ障害や体の痛みの早期回復に取り組んでいます。

毎月3・4回外部でお医者さんの勉強会に出たり、技術を高める為セミナーに参加し、日々医療の進歩と共に学びを続けております。

様々な臨床を通して培ってきた経験で、患者さんの筋骨格器系〜自律神経症状に精通している、海神駅前整骨院です。

頭痛,めまい,頭がボーッとする,頭が重い,頭の筋肉がつる,襟足の上の部分の皮膚が赤い,顔がつる,顔がしびれる,目が見えにくい,視野が狭い,目がくもる,視界が暗く感じる,まぶたが重い,まぶたがピクピクする,耳が聞こえにくい,耳閉,耳鳴り,鼻が詰まる,くしゃみが止まらない,歯茎が痛い,舌がつる,口が開きにくい,口を開けると痛い,首が回らない,首が痛い,首が後ろに反らせない,喉が詰まりやすい,声が出にくい,声がかすれる,咳が止まらない,肩がこる,肩が重い,肩が痛い,腕が上がらない,腕を上げると痛い,腕が痛い,腕がしびれる,腕がつる,肘が痛い,肘が曲げにくい,手首が痛い,手首が曲げにくい,指が痛い,指が曲げにくい,指がしびれる,指先の感覚がにぶい,胸が痛い,乳房が痛い,脇が痛い,脇がつる,大きく息が吸えない,心臓に妙な鼓動がある,お腹が張る,下痢しやすい,消化が悪い,便秘,胃が重い,胃が痛い,鼠蹊部が痛い,下腹部が痛い,尿もれ,頻尿,生理痛,背の部位,背中が痛い,肩甲骨の下が痛い,背中がつる,背中が冷える,腰が痛い,腰が重い,腰に違和感がある,腰が動かない,腰を反らせない,尾骨が痛い,会陰の部位,陰部が痛い,陰部がつる,男性機能の低下,お尻が痛い,股関節が痛い,股関節が動きにくい,左右の脚の長さが違う,下肢が痛い,下肢がしびれる,下肢がつる,膝が痛い,膝に水が溜まる,ふくらはぎが硬い,くるぶしが痛い,アキレス腱が痛い,片足だけが冷たい,かかとが痛い,かかとの感覚がない,爪先が痛い,爪先の感覚がない,足の指が痛い,足の指がしびれる,足の裏が痛い,線維筋痛症,ムズムズ脚症候群,慢性疲労症候群,モルフォセラピー,船橋市,腸脛靭帯炎,痺れ,手首の痛み,股関節痛,アキレス腱炎,千葉県,ばね指,骨盤矯正,骨格矯正,骨のズレ,腰痛,首肩痛,自律神経,スポーツ外傷,怪我,オスグッド,背中の痛み,胸の痛み,坐骨神経痛,ヘルニア,整骨院,整体,産後骨盤矯正,猫背,肉離れ,姿勢,モルフォセラピー

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