(作成2020年6月28日)→(更新2020年7月7日)→(更新2021年3月29日)
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
今日は「慢性疲労症候群とは?【意外に多くの人が当てはまる?】」について記事を書きました。
当院に来院されている患者さんに問診していくと、慢性疲労症候群では無いのかな?と思う方がいます。
でも日本人の良いとこなのか悪いとこなのかですが、疲労を感じていても放置してそのまま頑張ってしまう方って多いと思います。
日本の美学や美徳的な流れってこういう所が多く、自分もそういう考えは勿論あるのですが、体がボロボロになってまで頑張り続けるのは体に良くありません。
なので今日は
- 慢性疲労症候群とは?
- 慢性疲労症候群の症状
- 慢性疲労症候群の原因
- 慢性疲労症候群の診断方法
- 慢性疲労症候群の治療法
- 慢性疲労症候群の予防
について一般的な標準治療的な観点を説明しています。
慢性疲労症候群でお悩みの方や、慢性疲労症候群では無いか?と思っている方などご参考にして下さい。
(更新2020年7月7日)→疲労を回復させる為の食べ物についての記事をアップしました。慢性疲労症候群の予防の項目の所にアップしていますのでご一読ください。
(更新2021年3月29日)→当院が考える慢性疲労症候群の原因について記事を追記しました。
シンプルに説明をしましたので、慢性疲労症候群でお悩みの方や、中々疲労が抜けないという方は追記した内容をご参照下さい。(追記した部分は3 慢性疲労症候群の原因にアップしてます)
慢性疲労症候群とは?
慢性疲労症候群とは体を動かせない程の疲労が6ヶ月以上の続いて、日常生活に支障をきたす状態と言われています。
風邪を引いた後などにその症状が一向に改善されずに続いているような状態になる事もあるとの事です。
ただし、これらの症状は起立性調節障害にも似ているので判別がほぼほぼ難しいと思います。
後は自律神経失調症などや線維筋痛症なども慢性疲労症候群の症状と似ています。
厚生労働省から出ている慢性疲労症候群の資料に、日本における慢性疲労症候群の患者数は以下のように推測されています。
【患者数】 1999 年の厚生労働省研究班(班長:木谷照夫、大阪大学医学部)による疫学調査 (名古屋地区 4000 名を対象、有効回答数 3015)では一般地域住民の約 0.3%がCF Sに該当していた。2004 年の文部科学省研究班(代表研究者:渡辺恭良、大阪市 立大学)による疫学調査(大阪地区の一般地域住民を対象、有効回答数 2742)で も約 0.3%がCFSに該当しており、日本における 15-65 歳のCFS患者数は約 24 万人と推定される。
引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000yi7y-att/2r9852000000yihm.pdf
24万人もいると想定したら、新型コロナより多い人数ですね。。。
慢性疲労症候群の症状
慢性疲労症候群という疾患名なので、症状も疲労が主にと思われがちですが様々な症状があります。
自分も色々と調べて見ましたので、慢性疲労症候群の症状を箇条書きしてまとめました。
- 微熱
- 頭痛
- 喉の痛み
- 筋肉痛が続く
- 疲労感が毎日続く
- 不眠
- 寝ても寝たりない
- 気分のアップダウンが激しい
- 集中力の低下
- 関節痛
などが挙げられていますが、線維筋痛症と見分けがつきにくい症状が多いです。
当院の過去記事でも線維筋痛症について説明している記事もあるのでそちらもご参照頂くと慢性疲労症候群と線維筋痛症が類似していると分かると思います。
特に疲労という事に関して日本人は「我慢強い」、「忍耐強い」イメージがあり、体の不調を抱えている患者さんに多いのも「我慢強い」、「忍耐強い」方が多い気がします。
患者さんにも疲労の感じ方について質問をしても、「すぐに疲れちゃうのが最近多いんだけど、すぐに疲れたとは言えない」という言葉を聞く事が多いです。
しかし疲労は侮る事が出来なくて
- 疲労は3大危険信号の一つ
- 生命と健康を維持する上で重要な信号
と自分たちが思っているよりも、とても疲労は体に対して重要な症状の1つになっています。
疲労を感じている事が強くなったり多くなったりした時には体からのサインだと思って下さい。
慢性疲労症候群の原因
慢性疲労症候群は医学や科学的に明確にされている原因はありません。
明確な原因が無いのが現状ですが、厚生労働省では以下のように原因を考察されております。
【原因】 種々の生活環境ストレスによって引き起こされた神経・内分泌・免疫系の変調に基 づく病態であり、免疫力の低下に伴って種々のウイルスの再活性化が惹起され、こ れを制御するために産生されたインターフェロン(IFN)などのサイトカインが脳・ 神経系の機能障害を生じていると思われる。
引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000yi7y-att/2r9852000000yihm.pdf
ここでいう「生活環境のストレス」というワードは、ただ単に精神的ストレスの事でなく
- 日頃の疲労の積み重ね
- 姿勢が崩れている
- 筋肉の使いすぎ
- 血流の低下
- 運動不足
- 睡眠不足
- 暴飲暴食
- etc
と、幅広いストレスの事を指しています。
要は日頃からの生活習慣の積み重ねが引き起こしていると考察されているのです。
(更新2021年3月29日)→慢性疲労症候群の方の症状は起立性調節障害の方に似ている部分があります。
はっきりとした原因がない場合に考えられる事として自律神経の働きが上手くいっていないと考察しています。
先ほど箇条書きした「生活環境のストレス」の部分ですが、これらの原因があると背骨のズレが引き起こされてしまうと考えております。
つまり慢性疲労症候群の方にも背骨のズレが著名にあり、この背骨のズレが自律神経の働きに影響を与えて慢性疲労症候群の症状が強く出てしまうのでは無いかと考察してます。
日常生活での悪い積み重ねがある
↓
背骨のズレが強くなる
↓
自律神経の働きに影響が出る
↓
血流や神経に影響を与える
↓
筋肉が過剰に緊張する
↓
寝ても疲労が回復しにくくなる
↓
その積み重ねで慢性疲労症候群に陥る
といった慢性疲労症候群に陥ってしまった方の大元に日常生活の習慣と背骨のズレが関与していると思われます。
また別記事にて慢性疲労症候群と背骨のズレの関係性について記事を書きますのでその時に当院の考えている慢性疲労症候群の原因を詳しく深掘りしていきたいと思いますので、記事を書きましたらここにアップさせて頂きます。
慢性疲労症候群の診断方法
慢性疲労症候群の診断方法ですが、これも明確な検査方法や診断方法が無いのが現状です。
明確な診断方法は無いのですが、厚生労働省から慢性疲労症候群の診断基準というものが発表されているのが、以下のような基準です。
表1:厚生省CFS診断基準試案(平成7年3月、一部改変)
A.大クライテリア(大基準)
1.生活が著しく損なわれるような強い疲労を主症状とし、少なくとも6ヶ月以上の期間持続ないし再発を繰り返す(50%以上の期間認められること)。
2.病歴、身体所見.検査所見で表2に挙げられている疾患を除外する。
B.小クライテリア(小基準)
ア)症状クライテリア(症状基準)
(以下の症状が6カ月以上にわたり持続または繰り返し生ずること)
1. 微熱(腋窩温37.2~38.3℃)ないし悪寒
2. 咽頭痛
3. 頚部あるいは腋窩リンパ節の腫張
4. 原因不明の筋力低下
5. 筋肉痛ないし不快感
6. 軽い労作後に24時間以上続く全身倦怠感
7. 頭痛
8. 腫脹や発赤を伴わない移動性関節痛
9. 精神神経症状(いずれか1つ以上)
羞明、一過性暗点、物忘れ、易刺激性、錯乱、思考力低下、集中力低下、抑うつ
10. 睡眠障害(過眠、不眠)
11. 発症時、主たる症状が数時間から数日の間に発現
イ)身体所見クライテリア(身体所見基準)(2回以上、医師が確認)
1. 微熱、2. 非浸出性咽頭炎、3. リンパ節の腫大(頚部、腋窩リンパ節)◎大基準2項目に加えて、小基準の「症状基準8項目」以上か、「症状基準6項目+身体基準2項目」以上を満たすと「CFS」と診断する。
◎大基準2項目に該当するが、小基準で診断基準を満たさない例は「CFS(疑診)」とする。
◎上記基準で診断されたCFS(疑診は除く)のうち、感染症が確診された後、それに続発して症状が発現した例は「感染後CFS」と呼ぶ。引用:https://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/guide/efforts/research/kuratsune/fatigue/fatigue03.html
この表を見ても何か小難しい感じがしますが、かなり要約していくと下の方に書いてある「大基準2項目に加えて、小基準の「症状基準8項目」以上か、「症状基準6項目+身体基準2項目」以上を満たすと「CFS」と診断する。」という症状を6、ないし8項目訴えている場合は慢性疲労症候群と診断をされるという事ですね。
次に慢性疲労症候群の症状の度合いを診断する方法ですが以下のように分類されています。
表2 PS(performance status)による疲労・倦怠の程度
(旧厚生省 慢性疲労症候群診断基準(試案)より抜粋)3)
0: 倦怠感がなく平常の生活ができ、制限を受けることなく行動できる。
1: 通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、 倦怠感を感ずるときがしばしばある。
2: 通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、 全身倦怠の為、しばしば休息が必要である。
3: 全身倦怠の為、月に数日は社会生活や労働ができず、 自宅にて休息が必要である。
4: 全身倦怠の為、週に数日は社会生活や労働ができず、 自宅にて休息が必要である。
5: 通常の社会生活や労働は困難である。軽作業は可能であるが、 週のうち数日は自宅にて休息が必要である。
6: 調子のよい日は軽作業は可能であるが、 週のうち50%以上は自宅にて休息している。
7: 身の回りのことはでき、介助も不要ではあるが、 通常の社会生活や軽作業は不可能である。
8: 身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、 日中の50%以上は就床している。
9: 身の回りのことはできず、常に介助がいり、 終日就床を必要としている。引用:https://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/guide/efforts/research/kuratsune/fatigue/fatigue03.html
この表を見ると、PS2ぐらいまでは当てはまる方も多いとは思いますが、一気にPS3以上から社会生活が困難なレベルに上がります。
そこまでの方と出会った事がないので何とも言えませんが、当院に来院されている患者さんの多くは体の不調を我慢して耐えながら仕事や育児、家事などを踏ん張って頑張っている方が多いので、その状態で何にもセルフケアせずに、当院でもケアしなかったらもしかしたらこのような経過を辿る可能性はあるのかもしれませんね。
新型コロナで仕事が楽になったという声を多く聞くので普段頑張りすぎている可能性も考えられますよね。
また診断方法では無いのですが、自分が慢性疲労症候群の事について調べて行ったら、とても分かりやすい論文がありましたので以下のリンクも読んで見て下さい。
本記事でも要約して説明をさせて頂くと
肉体的、精神的ストレスを受けて神経系に影響を与える
↓
神経系に影響が出ると免疫系や内分泌系に影響を与える
↓
双方に影響が出ると神経細胞の機能異常が起きる
↓
異常な疲労感や不定愁訴につながる(慢性疲労症候群)
という流れで起きてしまうとされています。
この論文を読んでいて、自分は神経系に影響を与えて慢性疲労症候群に繋がっていくのだったら、神経系に影響を与える背骨のズレも関与しているのでは無いかと考察しました。
この事に関しては更に長文になってしまうので違う記事にて説明をしていこうと思います。
慢性疲労症候群と背骨のズレに関しての説明は記事が作成次第アップしていきますね。
慢性疲労症候群の治療法
これもですが、慢性疲労症候群に対しての有効な治療法は無いとされています。
有効な治療法は無いとされていますが、病院などで治療を受けるとしたら以下の事が治療法としてあると言われています。
- ビタミン剤の処方
- 漢方
- 向精神薬の処方
- 認知行動療法
- 運動療法
ビタミン剤は疲労回復するために必要な栄養かと思いますし、漢方であれば気血水の流れを良くしていく、向精神薬はいわゆる症状をごまかしていき、認知行動療法では考え方や症状の捉え方を変えていく、運動療法は動いてい血流を巡らせていく事が目的かと思われます。
もっと細かい目的はあるとしてもざっくりいうとこんな感じかと考察されます。
当院が考える慢性疲労症候群のアプローチ法はまたこれも別記事にて説明をさせて頂きますが、やはり重要なのは
日頃の生活習慣(栄養、睡眠、運動、入浴)に尽きるのかと思います。
慢性疲労症候群になってしまう何かしらの生活習慣が隠れていると思いますので、そこをしっかりと見つめ直す事が本質的には重要かと考察します。
慢性疲労症候群の予防
原因や治療法も確立されているのが無いので予防法も明確なものはありません。
しかし、日頃の生活環境ストレスで引き起こされているとするならば、日頃の生活環境自体に予防のヒントがあるはずです。
途中でちらっと説明をしたのですが、慢性疲労症候群は神経系に影響を与えて様々な影響を与えると考察するのであれば、背骨のズレも影響を与える因子として考察出来ます。
当院で扱っている背骨のズレを矯正する手法のモルフォセラピーでは背骨のズレを引き起こさない為の健康21カ条というものがあります。
健康21カ条は主に生活環境(栄養、睡眠、運動、入浴)についてがメインです。
なので、慢性疲労症候群と診断された方や、予防したい方は以下の記事もご参考にして予防に取り組む事でマイナスになる事はなく、健康に少しでも影響を与えていくので自分自身の生活環境を見直すきっかけとしてご一読ください。
健康21カ条を全て行うのは無理に近いので、出来ることから1個ずつ変えていくのをお勧めします。
自分もこれを学んで、朝早く起きて散歩して、食事の外食は減らしていき、夜は汗が出るまでゆっくりと入浴することを始めました。
そして食事の面でも嫁と協力をしながら少しづつ外食を減らして少しでも子供に対して良い食事環境になるようにしているので、皆様も疲労を回復しやすい食事環境を作るのも大切です。
以下の記事にも疲労を回復させるための食事方法も詳しく説明をしていますのでご一読ください。
自分が出来ることから始めて少しでも慢性疲労症候群の症状を減らせていけるきっかけになれれば幸いですので、コツコツ頑張って続けていきましょう!
まとめ
慢性疲労症候群は未だ明確になっていない症状です。
しかし、疲労が溜まっている方や、中々抜けない方、そしてそれらが続いて慢性疲労症候群に繋がってしまう方が多くなっているのは事実としてあります。
自分も当院に来院されている方で疲労が溜まっているという方を多く見かけたので(新型コロナの影響か?)慢性疲労症候群の事について調べて見ました。
調べていくうちに、慢性疲労症候群は自律神経系の症状とほぼ似ていますし、線維筋痛症にも似ているという事が明確に分かりました。
そして、慢性疲労症候群は神経系から免疫、内分泌に影響を与えて発症するのでは?と考察されている事から、背骨のズレも少なからず影響を与えていくのでは?と考察しています。
まだまだ自分の考察の範囲でエビデンスもないですが、研究を続けて少しでも病院で原因不明とされている症状をお持ちの方のお力になれるように日々勉強して臨床を積み重ねていきます。
参考文献
- https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000yi7y-att/2r9852000000yihm.pdf
- https://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/guide/efforts/research/kuratsune/fatigue/fatigue03.html
- https://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/guide/efforts/research/kuratsune/pdf/2008rinsyoub.pdf
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(R3/3/29 更新)